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それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

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11月30日 敏勘 2

「さっきはありがとう」
と言うと、船頭は笑った。ほんと、ばかなんだから!
「かわいい、なんて言っちゃうんだもの!」
こわい、って言ったのよ!と訂正すると、やはり船頭は笑顔でいた。

「だれをみていたの?」
「……ああ、あのへんの席の、」
「どっちをみていたの?」
「……前のほう」

船頭は、ほんとに!と楽しそうに笑った。そして、そのままの顔で言う。
「この間の三時間目、貝と話していたでしょう?」
「話していたけれど、」
「見ていたよ、彼女。――  ちゃんを。こう、ノートを見るふりをしてね」

その言葉すら、私を動揺させない。私はマフラーの先に触りながら、心から言った。
「ほんとうに、あなたは勘が良い!」
「ね、偶然気づいちゃったんだよね」
船頭はいたずらっ子のように――ただし、心臓とは違うふうにけらけら笑った。

きっと彼女もこわいのだ。私と彼女は違うけれど。
ただかつての私のように悩まなければ良いと思った。


「私と貝はね、美術の話をしていただけなんだけれどね」

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