忍者ブログ

それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

2024.11│123456789101112131415161718192021222324252627282930

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

12月22日 外

手を振った浅に上手く手を振れず、私は隣にいる星の足を見た。どうしたら良いのか、分からなかった。

(不安にさせている。疑わせている。それが彼女を苦しめている)

ああ、目。あの目。明らかに意味がある目。その時、彼女の意識の中に、私が入り込んでしまったことを知ったのだ。不可視故にどちらも、お互いを想像するしかない。そうして創造した人間は果たして誰なのか。どちらも分からない。分からないから想像を信じる。分からないままであることが、危険因子で、堪らなく不安なのだ。


疲れているから気になるのか、気になるから疲れているのか。恐らくどちらもだ。けれど、それ以上に恐ろしさがあったのだ。彼女だけではなくて、ひいては自分に対する。

拍手

PR

9月7日 自認

『奈良は、よく自分のことを駄目人間だと言う。けれど、もし本当にその可能性を危惧しているのなら、絶対に認めたくない筈なんだ。死んだって認めたくない筈なんだ。自分が、駄目な人間だなんて、言えるわけがないんだ。』

拍手

12月22日 バッド・アップル

言葉で伝わることなど限られている。言葉に意味などない。ほんとうの言葉というのは、意味のある無言語が積み重なった上でのみ、意味を持てるのだ。

例えば、私が眉間にしわを寄せて、だいすき、と言ったとする。それだけだと、相手は何かの罰ゲームだと思うかもしれない。しかし、私がいつも幸せそうに眺めていたのを、相手が知っていたらどうだろう。きっと罰ゲームだとは思わない。しわの意味は逆転する。つまり言葉に意味はないのだ。


ひっくり返した傘立てを雑巾で磨いていた。隣では拭き終わった傘立てを星が戻している。梨や桜やオアシス達は、ここからは見えない。私は何故ここにいるのだろう。その疑問は特に不満足を孕んでいなかった、が。それでも何か、言葉以外の何かが、全身から溢れていた。言葉が意味をもたず、弁明も出来ないほどに。そして、それはすでに気づかれている。黙認されている。あるいは、私が自覚する以前から。だから、私は手を振れなかった。彼女も手を振らなかった。

拍手

11月27日 夢追い人、夢を知る

「毬。私はでっかいことをするよ。出来るかどうかはわからないけれど。広い世界を目指す。そのためにこの箱を出て、がんばるよ」
「うん、がんばって。できると良いねえ――」
返答は些細なものだったけれど、それが毬のものだということを考慮するなら、喜ぶべきものだった。毬は優しい嘘をつかないのだ。
私は椅子に乗せていた片足を床に下ろして言った。
「そうしてもし有名になったら、きっと毬に会えるでしょう?」
毬は黙って微笑んだ。今はそれで十分だった。

拍手

6月7日 ジャム

「君は。何があったんだ?どうしてそんなことをするんだ?」
ワタヌキは聞いた。
「――ねえ、君は予習をする前に、何をする?」
私は言った。
ワタヌキは怪訝な顔をした。

拍手

12月30日 6月27日


聞いた瞬間、驚きはしなかった。それは常に常に危惧していたことで、不意打ちを喰らったわけではなかったのだ。

『常に最悪の選択肢を考えていろ。』

ニコさんのその言葉が、いつのまにか内面化していたのかもしれない。それから私は、さらに考えうる限りの事態を想定した。

知らない振りをしていただけだった。
過去と見比べて、決定的なそれを聞くまでは、勘などといった曖昧なものは信じまいと、頑なに思っていた。
人を疑って傷つくよりは、信じて傷つきたいと、浅はかにも思っていた。


かつて私を救ったその言葉が、今度は私を殴り付ける。全ては裏を返される。
思い出の形をした時限爆弾を抱えて、私はただ盲目になっていたのだ。

拍手

7月4日 カウントダウン



「そう、彼女は言っていたよ。  に告白されたって」

反射的に酷く汚い言葉で否定した。心臓は慌てて謝る。私が、彼女に?告白、だって?何時、どこで!
――まさか。

私はひとつに思い当たった。

(あれが、告白と言うならば、あの、あの、言葉、は!)

拍手

2月15日 不安定


兎に角、辛かった。重度の火傷をした身体で、冷えた海に沈むような。
色々なことは積もり積もっていて、それに私は耐えられない。


問題点、と、幸せは諳じる。
「自分の範疇を超えた、彼女、という存在から依存を余儀なくされた今、情緒不安定な状態で、他のものを支えに出来るか、ということ」

拍手

12月30日 3月3日


その時のことを今でもはっきりと覚えている。

その悪循環から抜け出そうと、無闇矢鱈にもがいていた。酸素が圧倒的に足りなかった。思考を経て、会話を経て、行動を経て、しかしそれでも、最後に辿り着いたのは彼女だった。

(――――)

彼女なら、彼女ならば、この延々続くメビウスの輪を断ち切る触媒になってくれるのではないかと、私は信じた。

今なら分かる。
私はその時、彼女を媒介に今を変えようとした。
しかし、それと同じくらいに、それ以上に、私は彼女に向かって叫んでいたのだ。

(助けて、助けて!)

拍手

3月3日 時限爆弾


「けれど、けれど。それは、   にはきっとできないんだ、だから――」

「できないときには、できないって言うよ。いやなときには、いやって言うよ」

「――どうして、いやって言わないの」



「だって、いやじゃないもの」



,

拍手

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析