手を振った浅に上手く手を振れず、私は隣にいる星の足を見た。どうしたら良いのか、分からなかった。
(不安にさせている。疑わせている。それが彼女を苦しめている)
ああ、目。あの目。明らかに意味がある目。その時、彼女の意識の中に、私が入り込んでしまったことを知ったのだ。不可視故にどちらも、お互いを想像するしかない。そうして創造した人間は果たして誰なのか。どちらも分からない。分からないから想像を信じる。分からないままであることが、危険因子で、堪らなく不安なのだ。
疲れているから気になるのか、気になるから疲れているのか。恐らくどちらもだ。けれど、それ以上に恐ろしさがあったのだ。彼女だけではなくて、ひいては自分に対する。
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