なんの躊躇いもなく彼女と帰った。話題を見つけなくてはならないのが些かしんどかったが、それは彼女でなくても同じだった。
彼女は、変わった。色々な意味で、変わった。(少なくともかつての彼女は、そのように媚びた話し方をしなかった)
私に対して対処に困って取り敢えず笑うような、そんな彼女は、どこに行ったのだろう。否、私はその答えを知っている。彼女は、キャラメル達に地図を見せられたのだ。その地図が正しいのかどうかは、誰にも分からないのだけれど。
現状は間違いなく進歩であるのに、思い出しては過去を美化している。全てを知っていて、知らないふりをしていて、それでもなお私に手を差しのべた、あの圧倒的高みから注がれた狡い優しさに、もう一度漬かってみたくなるのだ。
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