6月25日14時 警戒レベルとテンションに反比例する、
エースの首輪を引っ張った。
ぐう、とか変な声を出して笑った。笑ったままだった。それは永遠も同じで、世紀や他の友人にするように接した。(滅茶苦茶に触るものだから私は動揺して、そして梨や星が笑った。)
エースのそれと、永遠のそれは聊か意味合いが違う。
永遠は恐らく性格故だが、エースはそれが意識され性格としてかためられたゆえの性格なのだろう。
王者の孤独。彼女は、そう赤が言うように馬鹿ではないし、私はひょうきんと言われる彼女と、彼女の曇りガラスを通したような内面とのギャップに、違和感を感じている。
いつだってそうだった。上に立つ者は孤独だった。彼女もおそらくそうだったし、建前上で言えば私もキャラメルもそうだったではないか。
しかし私は、彼女を助けることが出来なかった、(あるいは助けるべきではなかった)ように、エースに何か干渉するべきではない。ただ後ろから彼女のためのパスを出し、彼女のためのリバウンドをとるのだ。そして彼女が内向的にならないように少しの気を配るだけだ。
彼女はしらばっくれた。私はただ、頑張る、と言った。
また他人任せ、と笑う彼女にこちらのチームの遠慮というものを理解して欲しいとは思わない。「私はエースのフォローをする」と嘯く。彼女と約束することとモチベーションに、今最早因果関係は見出せない気がしたが、ただなんとなく、彼女の頭を撫でた。東にそうするのと同じように、その行為そのものに意味は無くて、ただ人寂しいだけなのだろう。
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