忍者ブログ

それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

2024.11│123456789101112131415161718192021222324252627282930

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

嘘吐きと偽善者の逃避行③

「いつか殺されてしまう」

後ろから誰かに抱きつかれていた。「殺さないよ」。面白がるように、或いは揶揄するように言葉が降りかかる。「殺せないよ」。
箱の中だった。机の上には教科書が散らばっている。



目をさますと私を連れ去った張本人が転た寝をしていた。暫くその寝顔を見ていると、人の気配を感じ取ったのか、静かに目を開け遠慮がちに欠伸をする。
「みかなちゃん、起きたんですか」
大きな口をあけ、無防備で全てをさらけ出しているくせに、どこか隙のない目をしていた。(そういえば彼女は、あの箱の中でも、いつもそうだった 気がする)

一日で隣の県まで来れた。
初めて来た公園の滑り台の下は、夜の闇もあいまって妙な安心感がある。

どこかで虫が鳴いている。
月の光と、薄暗い街頭が、ジャングルジムを照らしている。





「君は、私を殺すの?」

彼女は驚いて目を丸くして、それから不思議そうな顔をした。
「殺すわけないでしょう」


「殺されると思っているのは一人だけで、他の三人は、まさか、本気でそんなことは思ってないでしょうに」


他の三人とは誰をさしているのか、悲しそうな目をした彼女には聞くことはできなかった。
「命は一つしかないのです」
珍しく彼女は正論を言った。

拍手

PR
*COMMENT-コメント-
*COMMENT FORM-コメント投稿-
  • この記事へのコメント投稿フォームです。
Name:
Title:
Mail:
Url:
Color:
Decoration: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Message:
Pass: ※編集時に必要です。 
*TRACKBACK-トラックバック-
  • この記事のURLとトラックバックURLです。
  • 必要に応じてご使用くださいませ。
この記事のURL▼
この記事のトラックバックURL▼
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析