忍者ブログ

それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

2024.11│123456789101112131415161718192021222324252627282930

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

12月10日 記憶喪失 1

電車が低い振動と共に止まり、人を吐き出し始めた。ヘッドフォンを片手で外すと、鞄の持ち手に引っ掛ける。メトロポリタンの巨大要塞は人を吸い込んでいき、一方箱の中は宴の後のように閑散とした。
何時もと同じように目を相対させていて、何時もとは違うことをする。ただ、彼女は表情を変えなかった。それは予想内のことなのだと、暗に示すように。

確かに、確かに互いに意識を向け合っていたのだと、ぼんやり私は確信する。無意味なものではなかった。だからどうした。どこからかワタヌキの声がする。


ねえ、これは停まる?――多分停まるよ。私は乱暴に彼女の隣に腰を下ろした。そして沈黙が流れる。
さあ、どうしよう。私は静かに考える。

拍手

PR
*COMMENT-コメント-
*COMMENT FORM-コメント投稿-
  • この記事へのコメント投稿フォームです。
Name:
Title:
Mail:
Url:
Color:
Decoration: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Message:
Pass: ※編集時に必要です。 
*TRACKBACK-トラックバック-
  • この記事のURLとトラックバックURLです。
  • 必要に応じてご使用くださいませ。
この記事のURL▼
この記事のトラックバックURL▼
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析