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それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

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6月5日

(いつでも他人行儀な君に会いたい)


つくづく思うのだ。私は彼女を愛していたわけではなかったのだ、と。

傷付くことが嫌いなだけなのだ。何かを得るための努力を怠るくせに、欲しい欲しいと言い続ける。私は都合が良すぎる人間だ。だから、きっと彼女を好きだと言い続けるべきではない。私は彼女が好きではないのだから。


髪に触れても、何も感じない。ただ、髪の感触が右手にあるだけだ。
そして私は確信した。『私は彼女が好きではないのだ』。
彼女は変わったのだろうか――かつては負の方向だと思っていたそれは、今は見当違いだったのかもしれないと思える。ただ正の方向だとしても私にとっては負だ。
彼女のことに関して、確かめるのは止めようと思った。何の意味もなさない。深く考えるのも止めた。時間の無駄でしかない。深読みもやめた。どうせ間違っているのだから。

私は矛盾していた。他人行儀が好きなくせに、近付いてしまったのだ。





私は彼女を愛していた。
初めて会ったときも、裁縫箱の名前を読んだときも、足の早いのを誉められたときも
船を漕いでいたのを起こしたときも、隣の席で寝顔を見ていたときも、舌の上の飴をみたときも
四月に名簿を見たときも、青を頼んだときも、写真を撮ったときも
円卓の一員だったときも
病院に行ったときも、教室の机で泣いたときも、喫茶店で話をしたときも、君を放課後の階段上に呼び出したときも
頬に触ったときも、押し倒したときも
髪をすいたときも、信じなかったときも
私は彼女を愛していたのだ

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