「何故髪を切ったんだろうねって?彼女が?」
「そう」
ふうん、と皮肉っぽく鼻をならした。成る程そういうことか。
先程の謎が解けてすっきりしたはずの頭を再び抱え、なんとか深呼吸をする。あらん限りの皮肉を頭に思い浮かべた。
「黄色」
「うん」
黄色は哀れむでも怒るでもなく、あの時ホットドックを食べていた時と同じ目をしていた。
「私には※※※がいる」
黄色は黙って笑って頷いた。
「今に始まったことじゃあないよ。言葉尻を晒されるのは」
「元気を出して」
「でもね、私は――」
私の直感と彼女の他人行儀、どちらを信じるべきか知っている。
私はなぜかまったく平常心を保っていて、むしろ冷静にこの状況をみている自分がいた。ああそうか、ああそうか、これはきっと――
障子は朝日を優しく通していた。時計を見ると、起きる予定の時間より十分ほど早い。暫く目を開けたまま動かずにいると、そのまま、目を開けたまま、寝てしまいそうな程の睡魔が襲ってきたので、慌てて布団を蹴飛ばして起きる。
実際に起こってもなんら不思議ではないけれど、それにしても厭な夢だ。