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「そっちって、自虐的になっているの?」
「いや、全然。あっさりだよ どうして?」
バレーも卓球も見ずに、体育館の入り口でぼんやりと決勝を見ていると、赤と浅と、それから例のチームが二人いた。私の試合が終わってからは、初めて話す二人だった。
「星と心臓がね、『こっちが負けていい気味って思ってるでしょ』だって」
「星が?」
「まだあのことを根に持っていると思ってるのかな」
「心臓は分からない」
「いつまでも根に持っているわけないよ。うちはね、人に嫌われることと誤解されることが嫌いなんだ。だから、そう思われるのは、」
赤は涙ぐんでいた。
四月から、ずっと練習してきた赤。制服で校庭を飛び回っていた時からいた。
でも強化チームに入れなくて、それでも這い上がろうとした赤。二回戦で味方とあたると分かって、必死で練習したチーム。最後まで諦めなかった。味方にはないものを持っていた、この学年全部から愛されたチーム。
色々なことを沢山話してきた。
「ねえ、赤。勝ちたかったのは、私だけだったのかな、頑張りたかったのは、私だけだったのかな、悔しいのは、私だけなのかな」
味方の前では泣かなかったけれど、そこでわんわん泣いた。