『おそらく――人間と思っていない――所有物だと思っている。キープしておきたいんだよ。近付けばおかずにされる。離れれば干渉される――面倒だね』
いや、むしろ、何の関心もないのだ。
私はやっと、無言語の領域を共有することができ、改めて自分の心に触れた。そしてそれが予想以上に荒んでいたことに気づく。事実が事実として胸の中に現れていた。わだかまりが溢れ、頬に熱が染み、腹の中で何かが収縮していった。
『君はどうしたい? 打開か現状維持か、どちらしかあるまい』
『、わたしは――』
知っている。打開するその行動さえも、話の種にされると。もうどうすることもできない。話を聞く気が無い人間に何を言っても無駄だと――三人とも分かっているのだ。
「私は、私を変える」
それしかない。それで良い。だから、私は、いつものように黙っている。因果応報、四面楚歌、それでも、私の話を聞いてくれる人がいる限り、私はまだ眠ることが出来るのだから。
(それでも好きだと言えれば良かった)(それくらい盲目でいられたらよかった。)
PR