いないね、とオアシスが言った。ああそうだね、と呟き、マネージャーじゃないんだから、と付け足すと、オアシスは笑った。
「別にいなくたって関係ないわ。別に寂しくなんて無いわ。休んだって。私には全然関係ないもの」
ふい、とそっぽを向いた拍子に目に入った彼女の机がからっぽであることに気づくと、ぽっかりと心に穴が空いた、とてもしまりのない気分になる。良い意味でも悪い意味でも、彼女の存在はまだ影響力を持っているのだ。
(それが良い意味ではないと思っていたのだけれど)
彼女が今日は箱の中に居ないという事実を知った時の私の第一声ときたら。「嗚呼、今日はとてもつまらない日だわ!」。望む言葉を発し、そして続ける。「今日は気が楽ね」
気づくと、でもさびしい、と呟いていて、オアシスは呆れたように言った。
「結局つんつんしきれていないのよね……でれでれじゃないの」
私は、うー、と喉を鳴らして、机にべちゃりと伏せた。
PR