「私は何も変わらないよ」
だとしたら変わったのは私なのだろう。進歩も退歩も同じように変化でしかなくて、現状に満足していなかった私は、変化を望んだ。そして今は。
『元気?』
『なんで?』
『覇気が無いように見えた』
『私は何も変わらないよ』
『それならいいんだ。それなら…………』
変化をしない今の自分を、やはり今のままで、変化させたくないと望んでいる。動揺しないために、干渉しない。そしてしてほしくない。そのために私は、感情移入をしないように、本気にならないように、細心の注意をはらっていた。
それが仮令さみしいことであったとて、私は。(もうあのようになるのは嫌なのだ)
見ていた友人達も、星も、気にしないようにした。知らないふりを。知らないふりを。
(本当に何も変わっていないのなら、それはいいことだ。変わらないというのは、いいことだ。)