「バスケを見ていればわかるよ。 は運動部の人にも好かれているって。見ていればわかるよ。それを他人行儀ととるかもしれないけれど」
「ありがとう」
少なくとも嫌われていないことはわかる。しかし好かれているのだろうか?大きな人や小さな人は分からないけれど。昔から私を知っている人は、私に対して割と好意的に接してくれる。
しかし、私はそれが長く続かないことを知っているし、私から近づけば簡単に壊れてしまうことも知っている。
私の上っ面を見て「私」という人間を過評価し、そして実際に会って失望するのだ。
その寂しさを知っているから私は絶対に自分から他人に近づかないし、誰かに積極的に関わることをしない。
だから私は彼女が好きなのだ。彼女は私という人間が好きで優しくするわけではない、誰に対しても優しいだけなのだ。
もし彼女が私という人間が好きで親切にするのであれば、私は彼女を好きになりなどしなかった。
そういう意味で、私は他人行儀な人間が好きなのだ。
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