真っ白な東は私を誘った。
「前にも言ったけど、ヤマトが帰ってくるんだ。だから、大会の初日に皆で遊ぼうってことになっている。 は、空いてる?」
「空いてる。しかし、私が行っても良いのだろうか?」
「全然。いても大丈夫だから!」
さて、私は心臓の話を思い出した。
『東は鈍感だよね。グループの対立とかには敏感だけど、人の機微には気付かないんだってさ。だから の、そういうのも気付いていないと思う』
この際後半は無視するとして、果たして私はどうすべきか。
ヤマトには会いたい。
しかし水を注すことになるのはたえられまい。
狐も良心も誘われていないのだ。東は気を遣ったのだが、それにしても、しかし、私は東が思うような人間ではないのだ、と声を大にして言いたかった。私は東が思っているほど強くない。
ほとんどがヤマトのために集まるようだ。
集まらないのは狐と良心と、それからこの箱を去った蝶だけだ。
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