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なんだかふわふわする。
目の前で友人が話していることも、ふと気を緩めると、あっと言う間にふわふわに侵食されてしまうのだ。
あれ、と思ったときには取り返しのつかないくらいおいてけぼりになっている。
「だいじょうぶ?元気出して」
友人が心配そうな声で尋ねる。私はいつも元気だよ、とおどけて言うと、「嘘だあ!」とからころ笑った。私もつられて笑った。私は間違えなく元気だから、なんだか変な感じだった。
一体何がいけないんだろう、と首を捻ると「そうおもわない?」。友人が僕に意見を求めた。あ、またおいてけぼり。ふわふわは一瞬でやってきて、一瞬で消える。そのくせ私の時間をごっそりさらっていく。不思議なやつだ。
そういえば、ふわふわが出てくるのは今日が初めてじゃない。
休みが始まる前の土曜日くらいに、別の友達とお弁当を食べていたとき。ふわふわはやってきた。私は輪とは別の方をぼんやり眺めていた。眺めていて、手には金色の包み紙。何か考え事をしていて、「ねえ、きいてる?」「あ、ごめん!」 そんな会話を二回繰り返した。ふわふわだ。そして私は席をたった。席をたって、私は何処へ行ったんだっけ?
ごとん。
「うわ」
何か分かりかけたのに、それも全部、がたごと揺れる電車にたべられてしまった。
電車から降りて狭いホームに立つと、またふわふわがやってきた。でも今は一人だから、そんなこと気にしなくて良い。私の頭をふわふわで侵食してしまえ。
ふわふわに侵食される直前、今日はあの子の髪を撫でていなかったことが頭を掠めた。