忍者ブログ

それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

2024.11│123456789101112131415161718192021222324252627282930

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

6月18日18時

帰ろう、とはどちらも一言も言わなかった。
ただ下校時刻になって、教師たちが見回りに来た。(気のせいだといい。彼らは私と東をまじまじと見た。確かにこの組み合わせは珍しかった。)
東は着替え始めた。私は少し迷った末顔を背けた。東だからと言うわけではなく、只なんとなく気まずかったのだ。
「直帰?」
「うん」
教室を出る直前、私は東の頭を撫でた。
恐らく東はそれに慣れていなかった。沈黙。「みんなそういう反応するんだよね」。私は当然のことに気づき、言う。
身長が高くて、撫でにくい。誰と相対して、と考えると彼女以外であるはずが無い。彼女は小さいのだ。

教室には二人しかいなかった。そしてこの階にも。

ふ、と好奇心が湧き上がった。
彼女にしたことを東にしたら、と思うが、都合の良いことに東と私は精神的にも遠かった。(リスクは負いたくない。そう思うだけの羞恥心はまだ残っていた)

東と私は二人で階段を下りた。五年前の私は、これを望んでいたのだろうか?願い事は、意外なところで叶う。


私は、ただなんとなくという理由で、東に紫を頼んだ。
閉鎖空間の中で、それが意味することを忘れていた。

拍手

PR
*COMMENT-コメント-
*COMMENT FORM-コメント投稿-
  • この記事へのコメント投稿フォームです。
Name:
Title:
Mail:
Url:
Color:
Decoration: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Message:
Pass: ※編集時に必要です。 
*TRACKBACK-トラックバック-
  • この記事のURLとトラックバックURLです。
  • 必要に応じてご使用くださいませ。
この記事のURL▼
この記事のトラックバックURL▼
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析