忍者ブログ

それでも君を*****。

(愛か恋かも分からないけれど)

2024.11│123456789101112131415161718192021222324252627282930

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

9月5日 青い鳥①

私はね、今までに三度決定的な失敗した。一度目は中一の時。リレーでね、バトンを落とした。バトンゾーンで、次の走者にうまく受け渡らなかったんだ。二度目は中三の時。やっぱりバトンゾーンでうまく渡らなかった。落としはしなかったけれど、その時まで一位で来たのが、二位になってしまってね。しかも悪いことに次の人はアンカーだった。結局抜かすことは出来なかったよ。三度目は高二の時。障害物競争だった。一つ上の学年と競っていた。必死で網をくぐって、なんとか差を四十センチまで縮めたんだけど、焦って跳び箱から転倒さ。情けなくって仕方がなかったよ。



無様な姿を晒した高二、それでも彼女は言ったんだ。「かっこよかったよお疲れ様!」。いや、言ったんじゃないな。私が疲れて家で夕食を食べているとき、携帯のランプが赤く光ったんだ。つまり、彼女からメールがきたんだよ。その時私は嬉しくて嬉しくて、冗談ではなく歓喜の声をあげながら廊下をスキップしたよ。――ああ、笑わないで。本当のことなんだ。


でもね、よく考えて御覧よ。その時は――その時も――私と彼女はそんな――労いの言葉をかけあうような――そんな関係じゃあなかった。話すことなど殆ど無かったんだ。おかしいだろ?それなのに彼女は私にメールをした。尤も、その時の私はそんなこと気にもかけていなかったけれど。


彼女はね、知っていたんだ。私は露骨だったし、まわりもからかっていた。あの時のような面白がりではなく、なんの善意も悪意もなくね。(いや勘違いかもしれない。でも少なくとも私はそう信じている)誰も、何も、言わなかった。それで、彼女は彼女の考えるようにメールした。ああそうだ、きっとそれが何にも影響をされず、何にも染まらない、彼女の唯一の行動だったんだって、今は思うよ。

拍手

PR
*COMMENT-コメント-
*COMMENT FORM-コメント投稿-
  • この記事へのコメント投稿フォームです。
Name:
Title:
Mail:
Url:
Color:
Decoration: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Message:
Pass: ※編集時に必要です。 
*TRACKBACK-トラックバック-
  • この記事のURLとトラックバックURLです。
  • 必要に応じてご使用くださいませ。
この記事のURL▼
この記事のトラックバックURL▼
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析