どうにも、君に頼んだのが悪かったらしい、と呟くと、もしかして私のせい、とオアシスが驚く。まさか、と大袈裟に否定して、肩を竦めた。「『友達』なら、誰に貰ったっていいんじゃないの」
例えば私が元いた運動部で、雪国先輩と朱鷺先輩に頼んだとしたら、それは非難されて然るべきだ。しかし、今の部活なら話は別だろう。(部活の温度差、というやつか――貰う、という意味合いは全く違うから)
ましてや、クラスメイトなら、どうだろうか。いや、それは非常に例外的な話で、そもそも答えなどないのだけれど。
「そうでなくたって、君と彼女じゃあ、意味合いが違うことくらいすぐに分かりそうなものだけど、」
『自分に向けられる気持ちには敏感だが、他人の気持ちはわからないんだ』――また、その言葉がちらついて、それを振り払おうと躍起になる。珍しく与えられた言葉だが、まだ、そんなことは無いと信じていたかった。
「よくわからないね」
「よくわからないな」
情報に確信が無い以上、それ以上は言及出来なかった。ただやはり、後ろ指を指されることなど、したくはない、と思った。
PR