今日もそれは私についてきていた。
いつも、ふとした瞬間に存在を感じるのだ。誰もいない水場、人の集まった体育館、放課後の校庭。会話の切れ間。それはどこにでも現れた。
それは輪郭がぼんやりとしているが、確かにそこにいて、私をじっと見ていた。意識を向けようとしても、上手く出来ない。私はそれを認識するのを、無意識に避けていた。
そして今日もそれはいた。それもいつもよりずっと近くに。私の背中にぴったりとはりついて、身動ぎせず佇んでいた。
私はそれから意識を逸らすために、大声を張り上げる。がんばれ。がんばれ。
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