「今思ったんだけれど、神社で よければ好きな人おしえて よければ」
「いいですよ いればですけれど」
「それはいるととっても? 嫌なら言わなくてもいいんだよ?」
「考えておきます 好きの定義も嫌いの定義もわかりませんけど」
「定義なんてないと思うよ なんだろ その人といるのが 幸せな だけ おれはね」
「なるほど。個人的に 一緒にいなくても幸せなことはあると思いますが まああまり期待はしないで下さい」
「そういうのもあるのか おれは苦しいかな 一緒にいないと なんか苦しい 大丈夫だよ誰が好きでも たとえ直線のことが好きでも」
「違いますよ 可愛いというのは女子校のノリです すてきですね 一度そういうふうに人を好きになってみたかった」
「期待してます」
「期待するべきではないです」
「いや まず好きな人がいたっていうことに驚き」
「好き……なのかよくわかりませんが」
「ということは 僕の知っている人?」
「ご想像にお任せします」
「追求してごめん」
「平気です きっとあたりませんから」
「あたらないの?」
「ええ高確率で」
「余計気になる! まさかタレントとかスポーツ系?」
「いいえ テレビ見ませんから」
「旧友?」
「何故?そんなことを言ったかしら ……それに好きとは少し違う イエスが好きなクリスチャンってとこです」
「尊敬みたいなかんじか」
「端的に言えば。私はその人がいなくちゃ駄目だったんです 過去形ですが」
「過去?現在のひとはいないの?」
「今もそれなりに尊敬してますが」
「僕の知ってる人?」
「分かりません」
「どういう、」
「存在は知っているんじゃないんですか、多分」
「まさか、前に話していた、」
「そう その人以外に強い感情を傾ける人は、今はいません」
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